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屋根の雨漏り原因は屋根材ではない?25年のプロが語る防水の真実

2026.7.1

屋根から雨漏りがする。その原因、本当に「屋根材」だと思っていませんか?

屋根から雨漏りがする。そう聞くと、多くの方は「瓦が割れているのではないか」「スレートが傷んでいるのではないか」と、目に見える屋根材の傷みを思い浮かべるはずです。

しかし、25年以上神奈川の厳しい風雨から住まいを守り、現場に立ち続けてきた私の経験からお伝えすると、私たちが調査・修繕してきた雨漏りの多くは「屋根材の下(裏側)」にある防水紙(ルーフィング)の不具合が原因となっています。

今回は、屋根工事において最も重要な命綱でありながら、見積書やカタログの片隅に小さく書かれるだけでほとんど解説されることのない「防水紙(ルーフィング)」について、現場のリアルな真実をお話しします。

この記事を最後までお読みいただければ、大切な住まいを雨漏りから本当に守るために「どこをチェックすべきか」、ご自身で見積書を確認するポイントまでがすべて分かります。

この記事の要点(3つのポイント)

  • 建物の防水は「屋根材(1次防水)」と「防水紙(2次防水)」の2重構造で成り立っている
  • むやみに隙間をコーキングで塞ぐだけの補修は、逆に雨漏りを悪化させるリスクがある
  • 「30年耐久の屋根材」を選んでも、その下の「防水紙」が10年寿命なら10年で雨漏りする

 
 

建物の防水は「2層構造」でできている

まず知っていただきたいのは、建物の防水は「2重のバリア」で設計されているという事実です。

目に見える仕上げ材(瓦・スレート・金属屋根・外壁材など)は「1次防水層」です。多くの方は、これが『雨水を防ぐ主役』だと思われているかもしれませんが、実は、屋根材の一番大切な役割は、その下にある『防水紙の保護』にあります。

太陽の紫外線や激しい直射日光による防水紙の劣化を防ぎ、お住まいの室内環境を適切に保つために、屋根材は取り付けられているのです。

そのほかにも、屋根材には夏の猛暑を和らげる「断熱効果」、激しく叩きつける「雨音への対策」、そして台風時の「飛来物」から屋根と家を頑丈に守るという、非常に重要なバリアとしての役目をいくつも担っています。

つまり、1次防水(屋根材)は「水を1滴も中に入れないこと」そのものを主目的とはしていません。激しい大雨や台風の際には、どれほど立派な屋根材であっても、その隙間からどうしてもわずかな雨水が裏側(内部)へと侵入してしまいます。

そこで、本当に雨水が室内に染み込むのを防いでいる最後の砦こそが、その下に敷かれた「防水紙(2次防水層)」です。

私たちが現場で雨漏りの調査を行う際、目撃するトラブルの多くは、この「2次防水層(防水紙)の劣化や破れ、施工時の不具合」が原因です。

どれほど高価でデザイン性に優れた最新の屋根材を使っても、その下にある防水紙が破れてボロボロになっていれば、雨は簡単に室内に侵入してしまいます。これは屋根だけでなく、外壁やバルコニー、陸屋根など、家全体の防水における絶対的な鉄則です。「防水の命は、見えない下地にある」のです。

 

「水を防ぐ」という発想が、雨漏りをひどくする

雨漏りにお悩みのオーナー様からご相談をいただき現場へ駆けつけると、過去に他社やDIYで以下のような補修をされているケースによく遭遇します。

  • 「雨漏りしそうな隙間を、コーキング(隙間を埋めるゴム材)で徹底的に塞いだ」
  • 「怪しいと思った入り口をすべて埋めてもらった」

お気持ちは痛いほど分かります。水が入ってくる「穴」を見つけて塞げば直る、と考えるのは極めて自然なことです。しかし、実はプロの建築業者の中にも、この「塞ぐだけ」の誤った対処法で雨漏りを悪化させてしまうケースが後を絶ちません。

なぜ、むやみに隙間を塞ぐと雨漏りがひどくなるのでしょうか。

その理由は、建物は最初から「わずかな雨水は必ず内部(屋根材の裏側)に侵入する」という前提で設計されているからです。

屋根も外壁も、水を「完璧に遮断する」のではなく、入ってしまった水を「いかに安全に、速やかに外へ受け流すか」という排水経路を作ることで雨漏りを防いでいます。

私たちの職人としての仕事を一言で表すなら、「水を外へ安全に逃がすための道づくり」です。

その大切な「水の出口」をコーキングで塞いでしまうと、本来外に出るはずだった水が出口を失い、気づかないうちに建物の内部へ回り込んでいきます。結果として、木部を腐らせ、雨漏りを以前より重症化させてしまうのです。

 

雨だけじゃない。「結露」も建物を蝕む

もう一つ、一般の方には見落とされがちですが、家の寿命を縮める大きな原因があります。それが「結露(けつろ)」です。

建物の内部を脅かす水分は、空から降る雨だけではありません。
特に冬場や梅雨の時期、暖房で温められた室内の湿気(水蒸気)は、上昇して屋根の裏側に達します。ここで外の冷たい空気に冷やされることで、屋根の裏側で激しい「結露」が発生するのです。

特に、鎌倉や逗子、横須賀などの神奈川の海沿いエリア、あるいは緑が多く湿気がこもりやすい地域では、この内部結露が原因で野地板(下地の木材)がじわじわと湿り、数年かけて腐食していく事例を数多く見てきました。

防水紙の素材選びと、熱や湿気を外に逃がす丁寧な施工品質。これらが揃って初めて、結露から家を守り、30年、40年と長持ちする屋根が完成します。

 

「30年耐久の屋根材」が10年で雨漏りを起こした現場

ここで、私たちが神奈川県内で実際に修繕工事を行った、ある現場の事例をご紹介します。

そのお宅で使用されていたのは、大手建材メーカーLIXILの「T-roof(T・ルーフ)」。メーカーが「30年耐久」を大々的に謳う、非常に高品質で耐久性の高い金属屋根材です。現地に到着して屋根を見上げても、スレートのように割れることもなく、表面は非常に美しい状態を保っていました。

しかし、雨漏りの原因を特定するために、その美しい屋根を剥がしてみると、愕然とする光景が広がっていました。

防水紙が劣化・破損している状態
美しい屋根材を剥がすと、下にある防水紙がボロボロに劣化して破れていました
防水紙に亀裂が入り雨水が野地板に達していた状態
防水紙に無数の亀裂が入り、雨水が直接野地板(木下地)へ達して雨漏りを引き起こしていました

原因は明らかでした。
30年もつ高品質な屋根材の真下に敷かれていたのは、耐久年数が「約10年」しかない安価な使い捨ての防水紙(アスファルトルーフィング)だったのです。

決してお客様の判断が間違っていたわけではありません。お客様は業者から「30年もつ頑丈な屋根です」と説明を受け、それを信じて高い費用を支払われました。しかし、「見えない防水紙(下地)」が先に寿命を迎えてしまったことで、表面はどれだけ綺麗でも、わずか10年で深刻な雨漏りが発生してしまったのです。

これほど悲しいことはありません。表面のデザインやメーカーの保証年数だけに惑わされず、「下地に何を使うか」を合わせることの重要性が、この現場にすべて詰まっていました。

 

性能だけでは意味がない。「施工の丁寧さ」が防水紙の寿命を決める

防水紙(ルーフィング)は、高価な製品を選べばそれだけで安心というわけではありません。

どれほど耐久性の高い防水紙を使っても、施工時に職人が急いで雑に扱い、シワやヨレ、たるみがある状態で固定してしまえば、そこから雨水が溜まって劣化は数倍の速さで進みます。また、タッカー(防水紙を留めるホチキスのような針)を打つ角度や位置を誤るだけでも、将来的な雨漏りの原因(釘穴からの浸水)を作ってしまいます。

逆に、標準的な性能の防水紙であっても、職人が丁寧にシワなくピンと張り、重ね代(防水紙同士が重なる部分の幅)をしっかりと規定以上に確保して施工すれば、驚くほど長持ちします。

すまいるーふの施工では、このような悲劇を二度と繰り返さないよう、屋根材の寿命(30年)に完全に合わせ、田島ルーフィングの超高耐久改質アスファルトルーフィング「ニューライナールーフィング」を標準採用しています。

田島ルーフィング ニューライナールーフィング敷設完了
敷設完了したニューライナールーフィング。シワや浮きが一切なく、ピンと綺麗に張る。この職人の丁寧な仕事が、住まいを30年守る土台になります

 

防水紙の種類と選び方——プロが現場で使い分けるポイント

防水紙には大きく分けて3つの種類があります。普段の生活で意識することはまずないと思いますが、お見積もりを取る際には必ず確認していただきたい最重要知識です。

防水紙の種類と選び方——プロが現場で使い分けるポイント

防水紙(ルーフィング)には大きく分けて3つの種類があります。普段の生活で意識することはまずないと思いますが、お見積もりを取る際には「製品名」まで必ず確認していただきたい最重要知識です。プロが現場でどのようにメリット・デメリットを見極め、使い分けているかを解説します。

① アスファルトルーフィング(普及品)

昔からある最もスタンダードな防水紙です。紙(原紙)にアスファルトを染み込ませ、表面に砂を付着させたシンプルな構造をしています。

  • メリット:とにかく価格が安い。全国どこの建材店でも手に入るため入手しやすい。
  • デメリット:温度変化に弱く、夏は柔らかくなり、冬は硬くなってパリパリに割れやすい(寿命は約10〜15年)。引き裂き強度が低いため、施工時や強風時の負荷で破れるリスクがあります。
  • プロの用途判断:新築のローコスト住宅や、コスト最優先の簡易的な補修、数年後に建て替えることが決まっているお住まい以外では、現代の屋根リフォームにおいて積極的におすすめすることはありません。

② 改質アスファルトルーフィング(ゴムアス系)

従来のアスファルトに合成ゴムや合成樹脂(ポリマー)をブレンドすることで、柔軟性、引き裂き強度、耐熱性を劇的に向上させた防水紙です。現代の屋根工事における「標準的な主役」と言えます。

【超重要】実は「ゴムアス」は製品によってピンキリです!
改質アスファルトルーフィングと一口に言っても、メーカーや製品グレードによって性能・用途が全く異なります。大きく以下の2タイプに分かれ、それぞれメリット・デメリットがあります。

■ タッカー(ホチキス)留めタイプ(製品例:日新工業「ゴムアスルーフィング」など)

  • 特徴:専用のステープル(ホチキス針のようなもの)を野地板に打ち込んで固定します。
  • メリット:タッカーを打った穴の周りを、ゴム化されたアスファルトがギュッと締め付ける「自己シール性(セルフシール効果)」があるため、釘穴からの雨水浸入を強力に防ぎます。
  • デメリット:普及グレードの製品の場合、耐久年数は約15〜20年程度。表面の屋根材が30年長持ちするものであっても、防水紙が先に寿命を迎えてしまうリスクが残ります。

■ 自着(粘着層付き)タイプ(製品例:田島ルーフィング「タディスセルフ」など)

  • 特徴:防水紙の裏面が強力なシール状になっており、下地に直接ペタッと貼り付けます。
  • メリット:下地に針(タッカー)を一本も打たずに固定できるため、「下地に穴を一切開けない=最も雨漏りリスクが低い」という圧倒的な安心感があります。また、既存の屋根材の上から重ねる「カバー工法」の際、凸凹した下地にも隙間なく密着します。
  • デメリット:一度貼り付けると貼り直しが非常に難しく、職人の高度な施工技術が求められます。また、材料コストが高くなります。

プロの用途判断:私たちは、屋根材の寿命(30年)に完全に合わせ、改質アスファルトルーフィングの中でも「最高峰の耐久性と厚み」を誇る、田島ルーフィングのニューライナールーフィングを標準採用しています。屋根の勾配や工法に合わせて、タッカータイプか自着タイプかを現場ごとに厳格に使い分けています。

③ 透湿ルーフィング(次世代の呼吸する防水紙)

外部からの「液体の水」は完全にシャットアウトしながら、建物内部に溜まった「気体の湿気(水蒸気)」だけを外に逃がすという、特殊な透湿性・防水性を持つフィルム素材の防水紙です(代表例:デュポン社「タイベックルーフ」など)。

  • メリット:野地板(木下地)の湿気を外に逃がすため、建物の骨組みを腐食(結露)から守る力が非常に強い。非常に軽量で引き裂きに強い。
  • デメリット:アスファルトを含んでいないため、アスファルト系のような「釘穴を自ら塞ぐ自己シール効果」がありません。そのため、釘やビスの周りからの雨水侵入を防ぐために、施工時には職人のより丁寧な止水処理(専用のシールテープや特殊な留め付け方法)が不可欠です。また、材料費が非常に高価になります。
  • プロの用途判断:通気胴縁(つうきどうぶち)を用いた「通気工法」がしっかりと設計されているお住まいや、室内からの湿気がこもりやすく結露しやすい立地(鎌倉や逗子の湿気が多いエリアなど)において、建物の寿命を極限まで伸ばしたい場合の強力な選択肢としてご提案します。

 

屋根の形状・工法別——防水紙の選定が変わる理由

防水紙は「一種類ですべての家に対応できる」万能薬ではありません。現場の状況に応じてプロが適切にカスタマイズしなければ、せっかくの性能も宝の持ち腐れになります。

勾配(傾斜)による違い

屋根の傾斜が緩い(なだらかな)屋根ほど、雨水が屋根の上に留まる時間が長く、雨漏りリスクが劇的に高まります。そのため、緩勾配の屋根には通常より厚手で防水性能の極めて高い「粘着層付き改質アスファルトルーフィング」などを選定する必要があります。

屋根材の特性による違い

ガルバリウム鋼板などの金属屋根は、夏の直射日光を浴びると非常に高温(70℃以上)になります。この熱が直接下地に伝わるため、耐熱性に優れた防水紙を選ばないと、熱で防水紙が溶けたり乾燥して破れたりします。一方で瓦やスレートは、釘穴からの浸水リスクを塞ぐ自己シール性の高い防水紙が適しています。

リフォーム工法(葺き替え or カバー工法)による違い

古い屋根材をすべて撤去する「葺き替え」と、既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねる「カバー工法」では下地の状態が全く異なります。特にカバー工法の場合、既存の防水紙が湿気を閉じ込めてしまわないよう、適切な製品選定と湿気を逃がす道づくりが欠かせません。

神奈川・横浜周辺の地域特性

横浜や川崎の臨海エリア、湘南・鎌倉・逗子などの海沿いでは、塩分を含んだ強い潮風が吹くため、建物の劣化スピードが内陸部よりも格段に早いです。この地域で屋根を長持ちさせるには、塩害や湿気に強い高耐久な組み合わせが絶対条件となります。

 

防水紙は「一つで全部対応できる」ものではない

ここまで読んでいただくと分かる通り、防水紙の選定は「カタログを見て良さそうなものを選ぶ」という簡単な話ではありません。

屋根の形状、勾配、使用する屋根材の種類、リフォーム工法、地域の気候条件。これらすべてを総合的に判断した上で、最適な製品と施工方法を選ぶ必要があります。これは、本当に現場を経験し、様々な種類の材料を自らの手で扱ってきた職人だからこそできる判断です。

 

「見えない部分」に手を抜かないということ

屋根葺き替え工事完成
葺き替え工事の完了後。見た目の美しさはもちろん、この屋根の裏側で30年稼働し続ける防水紙の存在こそが、本当の安心を支えています

すまいるーふが完全自社施工にこだわる理由は、まさにこの「見えない品質」にあります。

防水紙の施工は,新しい屋根材を被せてしまえばお客様の目には一切見えなくなります。だからこそ、下請けに丸投げしてしまうと本当の品質確認ができません。自社の職人が一棟一棟、手抜きのない施工を徹底するからこそ、すまいるーふでは自信を持って長期の雨漏り保証をお付けすることができるのです。

 

あなたのお手元の見積書は大丈夫?防水紙を見極める「5つの質問」

最後に、あなたが屋根工事のトラブルを回避し、一生後悔しない工事を行うために、業者から見積書をもらった際に必ず確認すべき「5つの質問」をまとめました。

まずは、今お持ちの見積書を見てみてください。品名の欄に「ルーフィング」「ゴムアス」「ニューライナール」といった言葉が書かれているはずです。その上で、以下の質問を業者に投げかけてみてください。

  1. 「防水紙(ルーフィング)の具体的な製品名と耐久年数は何年ですか?」
  2. 「屋根材(表面)の耐久年数と、この防水紙の耐久年数は合っていますか?」
  3. 「今回の屋根の勾配や屋根材(金属かスレートか)に対して、なぜこの防水紙を選んだのですか?」
  4. 「この防水紙を施工するのは、御社の自社職人さんですか?(下請け丸投げではないですか?)」
  5. 「万が一雨漏りした時の保証の対象範囲と、その根拠を教えていただけますか?」

誠実で技術力のある業者であれば、この質問に顔を曇らせることなく、その場で笑顔で明確に、なぜそれを選んだのかを答えてくれるはずです。

屋根工事は、一軒あたり数十万〜数百万円という大きな費用がかかる一生モノの買い物です。にもかかわらず、完成した後は内部を二度と確認することができません。

だからこそ、契約前の段階で「見えない防水紙(ルーフィング)にどれだけ誠実に向き合ってくれるか」を確かめることが、ご家族全員がこの先何十年も安心して暮らせる家づくりの、最も重要で確実な第一歩になります。

 

すまいるーふの無料屋根診断について
横浜市・川崎市・逗子市・鎌倉市・横須賀市を中心に、神奈川県全域で無料の屋根診断を行っております。私たちは、防水紙(ルーフィング)の今の状態も含め、屋根全体の現状をプロの目で丁寧に確認します。上記の5つの質問、ぜひすまいるーふにもぶつけてみてください。誠実にお答えいたします。

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