風切り [かざきり]
瓦葺きの屋根の大棟から軒先まで葺いた丸瓦を指す。
主に箕甲部分やケラバ近くに設けられる。
妻側に当たった風が巻き上がり瓦を持ち上げてしまう事を防ぐ。
強風に対する防災意識
何よりも怖かったのは台風や強風に対する屋根瓦の飛散でした。
それを防ぐ為に各地で様々な施工方法が生まれました。
沖縄では漆喰で塗り固め、上越地方では銅線での全数緊結等が昔から工夫され施工されてきました。
同じように風切り丸は強風に対する知恵が詰まった災害に負けない防災工法として先人たちが生み出しました。
風切り丸に限らず、鬼瓦や大棟、隅棟、降り棟、巴蓋にまで知恵が詰め込まれています。
昨今の地震問題で瓦屋根が悪者になりがちですが、本当に手間をかけた瓦屋根は優れた機能美と様式美を極めた意匠をも併せ持っています。
風切りのメンテナンス
風切りの土台となる土や漆喰が劣化することが主だ。
それに伴い、風切りの脱落や、土から草木が生えてしまう事もある。
メンテナンスでは風切りを一時撤去し、土台の土、漆喰を掃除した上で新たに風切り丸を取り付けする。
欠けや割れがある場合は取り除き新しいものと差し替えをする。