ステンレス鋼板 [すてんれすこうはん]
ステンレス鋼板は鉄を主成分にクロムを含む合金鋼だ。
そのためステンレススチールと呼ばれる事もある。
その防食性の高さから幅広い分野で活躍している。
屋根材で使用される場合は塗装を施したカラーステンレスが用いられる事が多い。
また、本谷部や雨押え等の要所のみにステンレスを使っている住宅もよく見られる。
現在はガルバリウム鋼板の登場により価格の高いステンレスの使用頻度は下がったように思う。
また建材で使用されるステンレスはSUS304という鋼種が一般的だ。
屋根や雨樋、バルコニーや門扉等に使われている。
SUS430も使用される事があるが、手入れを怠ると錆びる事がある為、外装や腐食的な環境での使用はできるだけ避けたい。
その理由は鉄にクロム、ニッケル、モリブデン、それぞれを加えるがその含有量の差である。
錆びにくい理由は鉄に混ぜられたクロムの働きで、クロムが酸素と結合し表面に薄い酸化皮膜(不動態被膜、不働態被膜)ができる。
それがあらゆる媒体を遮断する保護膜となる。
仮にその保護膜が破壊、浸食されてしまっても、クロムが酸素と結合し再生する。
同じように不動態(不働態)になりやすいのはアルミニウムやチタン、クロム等やそれらの合金だ。
但し、異種金属接触腐食(電蝕)を起こす為もらい錆や腐食等が出る。
他の異なる金属と接触する場合は絶縁が必要だ。
また、鋼種の違ったステンレスの場合は自然電位がほぼ同一の為、あまり問題はない。
ステンレスのメンテナンス
ステンレス外装材のメンテナンスは定期清掃になる。
カラーステンレスの採用を心掛けたいが、無塗装のステンレス板を使用する場合は年に2~3回程清掃するのがいいだろう。
排ガス中の有害成分の付着や塩分の付着による錆に繋がる場合がある。
またカラーステンレスの場合も経年劣化で塗装面が退色する。
塗装できなくはないが、ステンレスのいい所を何一つ発揮できなくなってしまうのでお勧めできない。