日本瓦 [にほんがわら]
日本瓦には本瓦と桟瓦があり、主に住宅で使用されるものは桟瓦である。
社寺仏閣や城に使われる本瓦とは別の材料だと考えてよいだろう。
日本瓦は和瓦・和形等と呼ばれる。
これは基本的に桟瓦葺きを指すものだ。
全国に産地があり、その土地の土の質の違いから特色のある瓦が作られている。
その地域から取れる土の特性がその土地の風土に合いやすいと言われており、中でも三州瓦(愛知県)・淡路瓦(兵庫県)・石州瓦(島根県)は日本三大瓦産地として有名だ。
日本瓦は基本的に釉薬瓦・いぶし瓦・無釉瓦の3つに大きく分けられる。
釉薬瓦は焼き物の絵具である釉薬を塗布して作られる。
陶器瓦と呼ぶのが一般的で、瓦の表面にガラス質の釉薬層を形成、これが耐水性をもつ。
また、瓦そのものは赤っぽく釉薬による着色は表面と裏の見える面に限られる。
釉薬によって様々な色があり、量産性が高い。
そのため大量に生産されている瓦でもある。
主な色の種類は銀黒・ハイシルバー・ブラック・青緑・青銅等が挙げられる。
他にも各色あるが、メーカーによってその呼び名が違う為ここでは記さない。
塩焼瓦は釉薬の代わりに塩を使用する。
これは釉薬瓦に分類され、仕上がりは赤褐色になる。
現在では殆ど製造されておらず、新築ではまず使わない。
いぶし瓦は素地の状態で瓦を焼いてからいぶし、瓦表面に炭素膜を形成したものだ。
瓦の仕上がりは表裏共に均一な銀色となる。
年月が経つと銀色~黒色の色調変化が現れ見る者を楽しませてくれる。
無釉瓦は釉薬を施していない瓦を指す。
素地のまま焼き上げる素焼き瓦や、金属酸化物を粘土に練り込んだ練り込み瓦、酸化炎と還元炎の焼き具合のみで色調を出す窯変瓦がある。
和瓦葺きの一番の魅力はその職人や提案者によって、使う役物が全く違ってくる事だ。
役物の種類が数えきれない程あり、使用する役物によって屋根の装飾とイメージが大きく変わってくる。
日本瓦(和瓦)のメンテナンス
和瓦のメンテナンスは色々な方法がある。
漆喰の塗り直し、棟の積み直し、葺き直し、差し替え等が行える。
また、雨漏り等があった場合は部分的な雨漏り補修を行う事ができる。
基本的に瓦が割れてしまうまで使用することができるので、屋根材としての寿命は半永久的だ。
割れてしまっても部分的に新しいものと差し替えをする事ができる。
稀にラバーロック工法という、瓦同士の隙間にシール材を入れて瓦のずれを固定したり、雨水が侵入しないようにする工事を見るが、弊社では行う事はない。
シール材を使う箇所は棟の接合部や壁際の熨斗の取り直しの際など限られた場所のみで使用する。