本瓦 [ほんがわら]
平瓦と丸瓦を交互に組み合わせて並べる葺き方を本瓦葺き、又は本葺きと呼び、その材料が本瓦となる。
その歴史は長くおよそ1500年前中国から朝鮮半島を経由し、寺院建築の技術とともに伝来した。
本瓦は平瓦(牝瓦(めがわら))と丸瓦(牡瓦(おがわら))に分かれており、桟瓦葺きとは全く異なる技術が必要だ。
また、役物(役瓦)が数多く平唐草、軒巴、平袖瓦、刻袖瓦等さまざまなものがある。
現在も社寺仏閣では施工されているが一般住宅に用いられる事はまず無い。
その一番の理由が重量にある。
桟瓦葺きが約50~60kg/平米のところ、本瓦葺きは約150~180Kg/平米程の重さになる。
この重さの屋根を支える為の柱等も太いものにする必要があり工費が膨大になってしまう。
現在では仕上がりが本葺きに似た一体型の瓦も出ており、重量と工費を抑える事ができるが、桟瓦葺きと比べると10~20Kg/平米程重くなる。
今も尚本瓦葺きが世に残っているのは、やはり圧倒的な存在感だろう。
曲線の美しさや重厚さは本瓦葺きならではの風合いがある。
この技術は後世に残す意味があるのだと思う。