軒瓦 [のきがわら]
日本瓦の役物(役瓦)の一つで、軒先に使用する瓦を指す。
本葺き屋根の場合は軒平瓦と軒丸瓦に分かれ、桟瓦葺きの場合は唐草(瓦)とも呼ぶ。
この軒瓦の特徴は水切りをよくするために垂れがついている。
また、万十(まんじゅう)、一文字(いちもんじ)、京華(きょうはな)、花剣万十(はなけんまんじゅう)、垂剣(たれけん)、木瓜(もっこう)等
種類が豊富で、軒瓦を変えるだけで屋根全体のイメージが変わる。
凝ったものになると、型を起こして独自の軒瓦を作る事もある。
家紋や絵柄、頭文字を入れる等、注文者独自の拘った軒瓦は見つけるだけでも楽しめるものだ。
その中でも一文字軒瓦は職人の目に留まりやすい。
一文字軒瓦は合端作業が必要な軒瓦で、職人の技術力が一番問われるからだ。
瓦同士の接面を削って摺りあわせる。
そこに隙間が生じると後々隙間が広がってしまったり、軒先の直線が歪んでしまう。
ぴったりと合わさった一文字軒瓦は動く事が出来なくなり、いつまでも美観を保ち続ける。
一文字軒瓦の合端作業
グラインダーや鏨(タガネ)を使い合端を行う。
人によっては合端台を作り、台上で作業を行ったり、仕上げにダイヤシェーバー(瓦用のダイヤモンド砥石)を用いたりする。