軒瓦 [のきがわら]
軒瓦(のきがわら)とは?軒先の瓦部材の基礎知識
軒瓦(のきがわら)は、日本瓦の屋根における「役瓦(やくがわら)」の一種で、屋根の軒先部分に使われる瓦です。
本葺き屋根では「軒平瓦・軒丸瓦」に分類され、桟瓦葺きの場合は「唐草瓦(からくさがわら)」とも呼ばれます。
軒瓦の特徴と種類
軒瓦の大きな特徴のひとつに、垂れ(たれ)が付いており、雨水を軒先から滑らかに落とす「水切り機能」を持っている点があります。
また、以下のような多様な種類とデザインが存在し、屋根の印象を大きく左右します:
- 一文字(いちもんじ)
- 万十(まんじゅう)
- 京華(きょうはな)
- 花剣万十・垂剣・木瓜(もっこう)など
一文字軒瓦の合端作業と職人技
中でも「一文字軒瓦」は、軒瓦同士をぴったりと合うように削り合わせる合端(あいば)作業が必要で、職人の技術力が特に問われます。
この合端作業が不十分だと隙間ができ、軒先のラインが歪むほか、水侵入や瓦のずれにつながることがあります。
軒瓦を使うメリットとメンテナンスのポイント
- 美観性の向上 — 軒先を引き締め、家全体の印象を格上げ。
- 雨水の侵入防止 — 垂れのある軒瓦は水切れが良く、軒先からの雨漏れリスクを軽減。
- オーダーメイドの楽しさ — 家紋、絵柄、形状のカスタマイズで個性を出すことも可能。
注意点:施工・メンテナンスで失敗しないために
- 合端作業の精度 — 隙間や仕上がりの直線性を確保するため、熟練職人の施工が必須です。
- 瓦の素材・形状選び — 素材が重いものや形状が複雑なものは施工が難しく、コスト・耐久性に影響する場合があります。
- 定期的な点検 — 雨シミ・割れ・瓦のずれが発生していないかを確認し、早めに補修することが長持ちの秘訣です。
まとめ:軒瓦の選び方と施工で住まいの美観と機能を保つ
軒瓦は屋根の軒先部分という一見小さな部位ですが、家の見た目と雨水からの保護という観点で非常に重要です。
形・素材・合端の精度などを適切に選ぶことで、長く機能を保ち、美しい屋根を維持できます。
すまいるーふでは、軒瓦のデザイン性と機能性の両方を重視した施工をご提供していますので、お気軽にご相談ください。
一文字軒瓦の合端作業
グラインダーや鏨(タガネ)を使い合端を行う。
人によっては合端台を作り、台上で作業を行ったり、仕上げにダイヤシェーバー(瓦用のダイヤモンド砥石)を用いたりする。



